森を守ろう 2
足尾はあの狭い山あいに、当時栃木県では宇都宮市に次ぐ人口5万の第2の都市でもあったところです。
足尾銅山開発の精錬による排ガスのため、約4000ヘクタールに及ぶ立派な山林が、完全に草1本ないといった山岳砂漠となったものです。
全般的に古成層地帯の肥えた土壌は、降雨、洪水のたびに流出して、今はほとんど土壌を見ない岩山と化し、ときおり岩石のがらがらと崩れ落ちる音が周辺にこだまして異様な世界を現出しています。
林野庁は、終戦直後から大規模な復旧治山工事に取り組んできました。
しかし、まだまだ林木はもちろん草もまばらなところが多く、ヘリコプターによってアスファルトに雑草などの種子を混入しての空中散布方式も進められています。
辛うじて緑化が成功すればすかさずシカ、カモシカが寄って食い荒らすという皮肉な現象も伴い、悪戦苦闘が続けられています。
これは、現在ヨーロッパを中心に酸性雨による山林の枯損が重大な脅威となっていますが、全く同様の災害であり、無謀な人為災害が今さらのように悔やまれ、また恐怖を感じるものです。